例えば当時のスラッシュイベントで言えば「METALIZATION」とか「THRASH LIVE IN SAVEGERY」とかありましたけど、それとはまた全然スタンスの異なる、違ったカラーが出ていたと思うんですよ。それらに対する…といっては変かもしれませんが、結果的に表現出来たものは何だと思いますか。
羽鳥:このイベントで? …RAGING FURYとSACRIFICEのみんながどう思ってたかはわからないけど、CASBAHは、さっきも言ったけど、そのイベントでは一緒にやるけれども、他では一緒にやらない、それ以外では全く別の道を歩んで行きたいっていう気持ちが強かったんで、そういう意味では、お互いに色んなバンドとやって来て、色んなものを吸収しあってやってきて、「March Of The Final Decade」でお互いに見せあうっていうか、一回り大きくなった一年後のバンドの姿を見てもらうっていう、そういう気持ちでCASBAHはやってたから。(「MARCH OF …」以外では)自分達の道を歩んでたんで、そういう意味で成長してる過程っていうのかな…ちょっと質問の内容としては逸れちゃったか。
その辺からまた多少、イベントの性質というか位置づけが変わってきたような気がするんです。…これはちょっと余談なんですが、93年1月にCASBAHがCOCOBATと一緒に演った時、タイトルに「SUB」が付いてたんですけど、これは92年9月に参加出来なかったCASBAHが復活をアピールした、遅れてきた「March Of The Final Decade」っていう感じだったのでしょうか。
村山:それとは意味が違う…じゃないけど…違うものだよね、全く。(そういう)タイトルが付いてたけど、タイトルには別に拘ってなかったし、基本的に俺達がLOFTで演る時は主催してたんで、その時のタイトルとして使ってたところもあったから。…俺達のなかでは「海水浴ギグ」って言ってたんだよね(笑)。「March Of The Final Decade」だなんて誰も言ってない。「海水浴ギグ、来年もやろう」って。それは何でかっていうと、ライブの次の日に3バンドで海水浴に行くわけ。だから夏だったの。
羽鳥:やり始めた頃の「March Of The Final Decade」をお客さんとして観に来てた人達の大半は、もうこの世界から去っていってるか、もしくはター坊(古平氏)とかの様に自分がバンドマンの立場としてやってるよね。前にCOCOBATの坂本君(TAKE-SHIT氏)と話したことあるんだけど、彼も凄いこのイベントが好きでよく来てくれてたんだ。その頃まだCOCOBATって無かったし、だから何ていうのかな…今はバンドマンとしてやってるような人達が当時お客さんとして来ててくれたようなイベントなんで、今回は当然、完全に(お客さんのの層が)入れ替わって、全くそういう時代背景を知らない人達が来ると思うのね。今回その…パンフ、KABBALAに協力してもらって作ってもらうのも、そういった事を少しでも知ってもらいたいっていうのがあったんで、そういうのが伝わると良いな。当時を体験できなかった人にもね。■■■